旧帝国陸軍金沢第9師団の立野原演習場に現存する近代遺産です。
目玉監的壕と共に現地保存されています。
かっこいい壕なので、ネットでも良く見かけます。
道路に面した判り易い場所にあるので気軽に見学することが出来ます。
正面から見るとヨーロッパの戦争映画に出てきそうな感じの佇まいです。
下から見上げると「史上最大の作戦」の１シーンのような感じです。
裏へ回るとこんな感じです。
文化財の説明の表札は、文化財に指定される以前のもので昭和10年代に建設されたと書いてありますので、比較的新しいもののようです。
補修のモルタル状の跡がいかにもな感じがしますので、コンクリート製の文化遺産の補修方法の技術を勉強してみたいと思います。
２つの監的壕の解説は南砺市のHPにありましたのでリンクを張ります。https://www.city.nanto.toyama.jp/cms-sypher/www/info/detail.jsp?id=16592
金沢第九師団(くしだん)の主力は金沢歩兵第七連隊、敦賀第十九連隊、富山三十五連隊と特科隊で編成されていて
当時、陸軍最強師団と謳われていました。
通称「武兵団」と呼ばれていて甲編成、約２万人の兵力でした。
大戦中は満州、沖縄、台湾と転戦しましたが、幸運なことに、一度も銃火を交えること無く終戦を迎えました。
沖縄からは、決戦目前の昭和19年12月28日頃に大本営作戦課長服部卓四郎大佐をして「魔がさしたとしか思えない。一世一代の不覚であった」と述懐することになる台湾へ抽出されたが、この時も制空権の無い中で幸運にも一隻の損害もなく現地へと着きました。
台湾では終戦後、中国兵の監視の下、基隆港埠頭の倉庫で俘虜生活していましたが昭和21年元旦に帰国が決まり、復員船の砕氷船「宗谷」で1月17日に鹿児島港で復員完結しました。1月20日頃には自宅に戻れたとの手記もあります。
第九師団の終戦時序列 駐屯地 台湾新竹
歩兵第七連隊、歩兵第十九連隊、歩兵第三十五連隊、山砲兵第九連隊、工兵第九連隊、輜重兵第九連隊、第九師団通信隊、第九師団兵器勤務隊、第九師団第一野戦病院、第九師団第二野戦病院、第九師団第四野戦病院、第九師団制毒隊。
昭和12年12月序列
山砲第9連隊(金沢)3個大隊・九四式山砲36門
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